猫の爪切りは大切なスキンシップ
猫と暮らしていく中で、爪切りは必要不可欠なケアのひとつですが「どれくらいを目安に切ったらよいのだろう」と気になったことはないでしょうか?
ふと爪をみると思った以上に伸びていたり、それほど伸びていなかったり…
伸び始めていても、どれくらい伸びていたら切ったらよいのか、なかなか判断が難しいですよね。
また、爪切りが苦手な猫も多いので、なかなか思うように切らせてくれずに頭を悩ませている飼い主さんも多いのではないでしょうか。
今回の記事では、猫の爪切りの頻度と、猫が嫌がってしまう場合の対処方法を紹介していきます。
猫に最適な爪切りの頻度とは?
猫は年齢によって爪の伸びるスピードが違います。
そのため、ライフステージによっても爪切りの頻度が異なります。
ここでは、猫の爪切りの頻度についてライフステージごとに解説していきます。
成猫の場合
猫の種類によっても爪の成長スピードは異なりますが、成猫に対する爪切りの頻度は「約2週間から1か月に1回程度」が目安です。
一部分だけ伸びるのが早い場合もあるので、定期的に爪の状態を確認し、伸びているようであれば都度切っていくようにしましょう。
子猫の場合
子猫の爪切りは「約1週間に1回程度」を目安にするのが良いでしょう。
成長期の子猫は代謝が良いため、爪の成長スピードが早い傾向にあります。
子猫の爪は細く、伸びている状態で登られたりすると食い込んでかなり痛いので、できるだけ短期間で切っていく方が飼い主さんとしても安心です。
また、子猫の時期から爪切りに慣れておくことで「大人になった後も爪切りをあまり嫌がらなく」なってきます。
頻度を多くして子猫のときから慣れさせてあげるようにしましょう。
老猫の場合
老猫への爪切りの頻度は「約2週間に1回程度」行うのが理想的になります。
猫が歳を取ってくると寝ている時間が多くなり、活動的ではなくなってしまいます。
爪とぎをする頻度も減るため、古い爪が残ったまま爪が伸びてしまい、巻き爪の原因になってしまうので注意しましょう。
ほとんど寝ているということもあり、爪が伸びていることに気づきにくいため、こまめにチェックしてあげると良いですね。
後ろ足の爪切りの頻度は?
後ろ足は前足に比べて伸びるスピードが比較的遅いため、1ヶ月に1回程度を目安に行うのが良いでしょう。
猫の後ろ足は前足に比べて使う頻度が低いため伸びるスピードも遅いようです。
猫の爪切りは本当に必要なのか?
猫と飼い主がお互い快適に生活するためには、爪切りは必要不可欠です。
野性の猫にとっては狩りや木登りで使うため、爪とぎだけをしていれば問題がなく、爪を短くする必要は特にありませんでした。
しかし、室内で暮らすイエネコの場合は人間や猫自身のケガに繋がってしまう可能性があるため、爪切りを怠ってはいけません。
爪が伸びていると、家具やカーテン、カーペットなどの布に爪が引っかかって折れてしまい、ケガをする場合があります。
また、伸びている爪で家具や壁をひっかいてボロボロにしてしまったり、飼い主さんや同居している他の生き物にケガをさせることがあるので注意が必要です。
爪が伸びすぎていると、体を搔いたときに傷ができてしまったり、折れた爪が肉球に刺さって化膿してしまうこともあります。
猫と飼い主さんが快適に暮らすためにも、爪切りは必要不可欠なのです。
爪とぎと爪切り
「猫は爪とぎをしているから爪切りは必要ないのでは?」と思う方もいらっしゃいますよね。
実は、爪とぎと爪切りは別物なのです。
爪とぎは爪を短くするものではありません。
猫の爪は玉ねぎのように何層にも重なった構造をしており、爪とぎをすることで、古い角質を剥がしていきます。
新しい爪にしておくことで、常に爪を鋭くして、いつでも獲物を仕留められるように整えているわけです。
爪切りは、鋭利な部分を短くカットすることなので、爪とぎをしているからといって不要になるものではありません。
猫の爪を切る時の注意点とは?
猫の爪を切るときは、先端の尖っている部分だけを切るようにします。
付け根付近にある「クイック」と呼ばれるピンクの箇所を切ってしまうと、強い痛みと出血を伴います。
爪切りの際は、あまり深爪をしないようにして先っぽの鋭利な部分だけを切るようにしましょう。
万が一切っているときに出血してしまった場合は、すぐに止血、消毒してあげてください。
血が止まらないようであれば動物病院の受診を受診しましょう。
猫はなぜ爪切りを嫌がるの?
爪切りを嫌がる猫は多いですよね。
猫が爪切りを嫌がるのは「肉球を触られるのがイヤ」というのが大きな理由です。
猫の肉球には、多くの神経が通っています。
その神経をセンサーとして、地面の状況などを把握しているためとても敏感なのです。
爪切りの際、肉球を押して爪を出す必要がありますが、猫にとっては敏感なところなので触ってほしくないと感じてしまいます。
また、爪切りのときに拘束されるのが苦手で嫌がってしまう猫も多いようですね。
爪切りを嫌がる時の対処法
爪切りを苦手としている猫は多く「なかなか切らせてくれない」と頭を悩ませることも多いですよね。
ここからは、猫が爪切りを嫌がるときの対処法について解説していきます。
寝ているときに切る
猫の爪切りをスムーズに行うために特に効果的なのが寝ている間やウトウトしている間に爪を切ることです。
猫が起きている間に切ろうとすると、どうしても暴れたり逃げられたりしますが、寝ているときは逃げる反応が遅くなります。
そのため、横になって液体になっていたり、熟睡している時がチャンスです。
寝ている間を狙って素早く切ってしまいましょう。
あまり抵抗されずに短く済むため、猫と飼い主さんお互いにとってストレスなく爪を切れるのでおすすめの方法です。
切っている最中に少しでも嫌がるそぶりを見せたらすぐに中断し、また寝始めたら再開するのが良いでしょう。
猫が活発な時間に爪を切ろうとすると、ますます嫌がってしまい逃げる行動がヒートアップしてしまいます。
爪切りにイヤな印象を持たれてしまう原因にもなるので、猫が落ち着いているときに行うのがベターです。
おやつをあげる
爪切りの最中や、爪切り後におやつをあげることで爪を切らせてくれる猫もいます。
「爪切り=おやつ」と良い印象が与えられるので、爪切りを我慢してくれる時間が長くなることがあるようです。
また、爪切り中におやつをあげることで気をそらすことができるので、その間に爪を切ってしまう方法も良いですね。
洗濯ネットやバスタオルで包む
猫を洗濯ネットに入れたり、バスタオルなどの大きな布に包んでから爪切りを行う方法も、爪切りが苦手な猫に効果的です。
猫は狭いところが好きなので大きな布に包まれることで落ち着く習性があります。
包まれることで猫は安心できますし、暴れてひっかかれることも予防できます。
洗濯ネットに入れる場合は、ネットの間から爪を出して切るのが良いでしょう。
あまり小さいサイズのネットに入れてしまうと、かえって暴れる原因になってしまいます。
大き目のネットに入れてあげると、猫としても安心できますね。
家族と協力する
ご家族などの協力を得られる場合は、二人一組で行うと爪切りの負担も半減します。
しっかりと猫を固定して爪を切ることができるので、1人で行うよりもスムーズです。
抱っこをする係と、爪を切る係に役割分担するのが良いでしょう。
おやつで気をそらす役割の人がいても良いかもしれません。
何度かに分けて切る
猫の爪切りは、一度ですべての爪を切ることが大変難しいです。
そのため、一回ですべて切ろうとせず、切れる分だけをこまめに切るのも良いでしょう。
「今日はこれだけ」と1~2本程度切ってしまい、切れなかった分は時間を空けてから行うと、一度の爪切りにかかる時間も少なくて済みます。
一気にすべてやろうとせず、嫌がったらすぐにやめるくらいの気持ちで挑むと、飼い主さんとしても気が楽ですね。
プロに頼む
猫がどうしても嫌がって爪を切らせてくれないときは、獣医師さんやトリマーの方にお願いするというのもひとつの手です。
暴れてどうしようもない中、無理やり押さえつけるなどしてしまうと、猫がさらに爪切りを嫌いになってしまいます。
飼い主さんとの信頼関係が崩れる原因にもなりますし、暴れて手に負えなくなり、噛む、ひっかくなどの行為で飼い主さんがケガをする可能性もあります。
飼い主さんの力ではどうしようもないときはあるので、そんなときは思い切ってプロの手に頼んでしまいましょう。
まとめ
猫の爪切りは、猫と飼い主がお互い快適に生活するために必要なケアです。
怠ってしまうと、ケガの原因になったり、家財の破損にも繋がるので、必ず定期的に行うようにしてください。
子猫は爪の成長スピードが早いので頻繁に切るようにし、成猫や老猫はこまめに爪の状態を確認するようにしましょう。
爪切りを嫌がる猫も多いので、どうしてもという場合には獣医師さんなどのプロにお願いするのもおすすめです。
この記事が、爪切りに悩む飼い主さんのお役に立てたら幸いです。